NECと富士通、どっちが勝ち筋?
最近、NECと富士通の2026年3月期決算が相次いで出て、両社の差が少しずつ見えてきましたよね。
昔ながらのSIer(システムインテグレーター)から、どうやって高付加価値のDX企業へ脱皮していくか——まさに両社が同じ土俵で戦っている領域です。今日は「NEC vs 富士通」を、決算数字・成長戦略・リスクの観点から比較しながら、投資家目線で整理してみます。
1. 2026年3月期決算
本業の実力でNECがリード売上収益:NEC 3兆5,827億円(+4.7%〜5%) vs 富士通 約3兆5,029億円(-1%前後)
→ NECが約800億円上回る形に。
営業利益:NEC 3,599億円(+40.3%) vs 富士通 3,483億円(+31%)
NECの伸びが明らかに強い。
営業利益率:NECは調整後で大幅改善、初の二桁台を固めつつある。一方、富士通もサービスシフトで改善中だが、ペースではNECがやや優勢。
純利益では富士通が事業売却益などで上回るケースもありますが、本業の「質」で見ると、2026年3月期はNECの勝ちと言って良いでしょう。
2. 成長のエンジン比較:BluStellar vs Uvance
・NECのBluStellar
売上 7,050億円(+30%)、国内ITサービスでの構成比32%(計画を上振れ)。
2027年3月期見通しは8,400億円(構成比41%目標)、2030年度には1.3兆円・調整後営業利益率25%を目指す(上方修正傾向)。
特徴は「コンサルティング起点のEnd-to-End DX」。約30のScenarioを体系化し、顧客の経営課題に深く入り込むスタイルです。
・富士通のUvance
売上約7,093億円で前中期計画の目標を達成(+47%前後)。サービスソリューション全体の構成比を30%→将来的に50%へ引き上げる方針。
モダナイゼーションが+43%と好調。自社AIや量子・HPCなどのハード技術との融合が特徴で、グローバル展開も意識しています。
率直な印象:利益率の向上スピードとAI統合の鮮やかさでは、NECのBluStellarが現在リードしている印象です。特に2026年4月のAnthropic(Claude)との日本企業初グローバルパートナーシップは大きかった。Claude CoworkをBluStellar全Scenarioに組み込み、社内3万人規模で導入する動きは「AIの脅威を武器に変えた」好例ですね。3. 防衛・国策テーマの差がデカいここが両社の大きな違いです。NECは航空宇宙・防衛(ANS)事業が非常に好調。日本の防衛費増額(GDP比2%目標)という国策に直結し、公共・政府DXとのシナジーも強い。
富士通も防衛関連に貢献していますが、NECほどウェイトが高くなく、グローバル防衛展開を狙う動きが見られます。
「安定した需要が見込めるディフェンシブ要素」では、NECに軍配が上がると言えます。4. 共通のリスクとClaudeショック2026年初頭の「SaaSの死」「SIの死」騒動で、両社とも株価は20-30%超の調整を食らいました。AIエージェントが進化すれば、低付加価値の人月SIが食われるリスクは共通です。ただ、NECは早期にAnthropicと組んで反転攻勢に出たのに対し、富士通は自社AI技術で対応中。どちらも「AI実装のパートナー」へシフトしようとしていますが、実行力の差が出やすい局面です。私の投資スタンス提案短期(〜2027年3月期)
好決算後の期待調整が入りやすく、株価は神経質に動きやすい時期。積極的に買い増しせず、押し目でNECを優先的に狙うのが無難です。BluStellarの進捗とClaude提携効果がニュースで確認できれば、反発力はNECの方が強いと感じます。富士通はUvanceの数字をしっかり見ながら様子見。中長期(2028年以降)
NECをメインに据えるのがおすすめ。
理由は①防衛・安全保障という長期国策の安定性、②BluStellarの高付加価値・高利益率シフトが構造的に進んでいる点、③AI提携で競争優位性を強化した点です。
富士通はサテライト(サブ)ポジションとして保有。グローバル力とテクノロジー(量子・HPC)の独自色がハマれば上振れ余地は十分あります。ポートフォリオ例としては、コアにNEC(6〜7割)、富士通(3〜4割)で分散保有がバランス良いかなと思います。かげさんの感想
正直、昔の「装置屋・テレコム依存」のイメージが強かったNECが、ここまで利益率を改善し、AIの最先端(Claude)と組んで攻勢に出ているのは素直に驚きました。富士通のUvanceも堅実で嫌いじゃないですが、国策の追い風とBluStellarの勢いを考えると、現時点ではNECの「質の高いディフェンシブ成長」が少し魅力的に映ります。ただ、AIエージェントの進化は予想以上に速いので、両社とも低付加価値部分の価格破壊リスクはしっかり監視する必要があります。次期中期経営計画(NECは5月頃、富士通も近日中)の具体的な数値目標とROICコミットメントが出てきたら、また評価をアップデートしたいですね。両社とも「低収益体質からの脱却」という同じ課題に取り組んでいるだけに、今後の動きは非常に面白いです。
投資は自己責任で、くれぐれも無理のない範囲で楽しんでください。(2026年4月末時点の情報に基づく分析です。最新の株価やニュースはご自身で確認を!)
